開業初年度・実績ゼロの状態から医療法人化に成功。
将来の多店舗展開を見据えた戦略的法人化事例
(東京都大田区/歯科医院)

■ 結論
開業後間もなく実績が乏しい状況でも、将来の収益性・継続性を具体的に証明することで医療法人設立を実現。
その後の事業展開(MS法人設立・分院計画)にもつながる基盤を構築。
■ ご相談前の状況
東京都大田区で開業された歯科医院様。開業前からマーケティングに注力し、開業後は順調に集患が進み、想定以上の売上を達成。当初から以下のような経営構想をお持ちでした。
・節税対策としての法人化
・MS法人設立
・将来的な多店舗展開
・経営基盤の強化
また、金融機関からの評価向上や、経営者としての立場確立といった観点からも、医療法人化は事業計画の一部として位置づけられていました。一方で、顧問税理士からは「医療法人設立は専門性が高く、一般的な手続きとは全く異なるため、専門家に依頼すべき」との助言を受け、当事務所をご紹介いただきました。
■ 背景/医療法人設立の難しさ

医療法人設立は、一般的な法人設立と異なり、
・医療法に基づく特殊な制度
・書類数が多く煩雑
・地域ごとに運用・判断基準が異なる
・継続性・公益性の証明が求められる
といった特徴があります。
特に重要なのは、「今後も安定して地域医療を提供できるか」という観点であり、単なる現状の収益だけでは判断されません。
■ 難易度が高かった理由と本件の課題
本件が難易度の高い案件であった最大の理由は、「開業初年度での医療法人化」という点にありました。
一般的に医療法人設立は、一定期間の運営実績を前提に判断されることが多く、特に開業から1年未満の段階では、経営の安定性や継続性を十分に証明できないと判断されやすい傾向があります。
実績が乏しい状態では、「今後も地域医療を継続的に提供できるか」という観点に対する客観的な裏付けが弱く、認可に至らないケースも少なくありません。
さらに本件では、単に初年度であるというだけでなく、将来的な事業展開を見据えた法人化であったため、「現時点の収益」ではなく「将来にわたる経営の持続性」をどのように示すかが重要な論点となりました。
つまり、短期的な実績ではなく、中長期的な収益見通しや診療体制の妥当性を、いかに具体性をもって説明できるかが問われる状況でした。
加えて、申請に付随する個別事情として、診療所の契約形態や設備投資に関する契約内容、資金調達に関する書類の整合性など、複数の細かな論点も存在していました。
これらは一つひとつは小さな要素であっても、審査においては全体の整合性として評価されるため、少しの不備や説明不足が全体の評価に影響を及ぼしかねない状況でした。
このように、「実績の不足」「将来性の証明の必要性」「個別論点の複雑さ」が重なったことにより、本件は一般的な医療法人設立と比較しても、より高度な設計と対応が求められる案件となっていました。
■ ご提案・対応内容
本件においては、「実績が不足している状況でも認可に至るための設計」を前提に、申請全体を構築しました。
特に重視したのは、現状の数値ではなく「将来にわたって安定的に運営できること」を、第三者が見ても納得できる形で示すことです。
具体的には、初年度の収益状況を整理したうえで、今後の売上推移や患者数の見込みについて、数値ベースでの予測を行い、その算定根拠を明確にしました。単なる見込みではなく、「なぜその数値になるのか」を説明できる状態にすることで、継続性の裏付けとして機能させています。また、診療内容や運営方針についても整理し、今後の診療体制が安定的に維持されることを補足資料として提示しました。
さらに、医療法人設立においては、申請書類そのものだけでなく、「審査側がどこを懸念するか」を事前に想定することが極めて重要です。そのため、過去の事例や運用傾向を踏まえ、審査で論点となり得るポイントをあらかじめ洗い出し、それに対応する資料や説明を事前に準備しました。これにより、申請後に追加対応が発生するリスクを抑え、スムーズな進行を実現しています。

また、契約関係や資金関連の書類についても、単に提出するだけでなく、全体として整合性が取れているかを確認し、必要に応じて補足説明を加えることで、審査における不確定要素を可能な限り排除しました。
進行面においては、必要書類の収集や各種手続きが滞らないよう、スケジュールを逆算して段階的に案内を行い、関係各所との調整も含めて、無理のない形で申請準備を進めています。
やり取りは主にメールを中心に行い、簡潔かつ的確な指示を心がけることで、先生のご負担を最小限に抑えながら進行しました。
■ 結果
こうした対応の結果、開業初年度という不利な条件にもかかわらず、医療法人設立を実現することができました。
スケジュールとしては、開業後8か月の時点でご依頼をいただき、その後9か月目に仮申請、14か月目に本申請を行い、15か月目には法人登記が完了しています。
一般的には難しいとされる条件下でありながら、段階的に準備を積み重ねることで、確実に認可へとつなげることができました。
本件の法人化により、金融機関からの評価向上や、今後の資金調達のしやすさといった経営面でのメリットが期待できる状態となりました。また、当初から構想されていた分院展開やMS法人設立といった次のステップに進むための基盤も整い、単なる手続きとしての法人化ではなく、事業戦略の一環として機能する結果となっています。
さらに、申請過程においては、必要な書類や対応が事前に整理されていたことで、大きな手戻りや遅延が発生することなく進行し、結果としてスムーズな設立につながりました。
医療法人設立は一度機会を逃すと次の申請まで期間が空くことも多いため、この点においても適切なタイミングでの実現ができたといえます。
■ お客様の声
良くも悪くも「ザ・行政書士」(笑)しっかりしてそうにお見受けしましたから、「しっかりした文章を書いてくれるんだろうな」と思いましたね。ところが、実際に会話をしてみると、物腰もやわらかく、おだやか。話も合いました。これは、直感というのでしょうか。おそらく、話が合わなければ、顧問税理士の紹介とはいえ、案件を依頼しなかったと思います。
ご依頼を決める見極めの点ですが、実績の結果のみで検討しました。
ですから、年齢に関係なく、医療法人を設立してくれる可能性が高いことが条件でした。その点においては、柏崎先生は、豊富な実績をお持ちです。
その実績も医療法人設立の実績は100%。安心してお任せできました。
なぜなら、私自身が初年度での医療法人設立でした。
開業後、一度も確定申告をしていない場合の医療法人設立は、税理士からも極めて難しいと言われていたからです。その条件でも設立できる専門家を選んだつもりです。
連絡は、主にメールが多かったのですが、的確で返信もすばやく、私にも合っていました。「こういう書類が必要です」と連絡があれば、粛々と集めて送る。いつの間にか、医療法人ができあがっていた、という感じです。
難易度が高く、頻度も少ない個人事業の変更手続きだと思いますが、多くの経験があるからこそ、できる対応だと思います。
今回は、珍しい案件、難しい案件だったと思いますが、無事に医療法人の設立をしていただき、ありがとうございました。
今後は、歯科治療を通して、地域のみなさまの健康を守るお手伝いをより一層、していきたいと思います。柏崎法務事務所には、これからも多岐にわたりサポートをして欲しいと願っています。これからもよろしくお願いします。

■ 本事例のポイント
・開業初年度でも、将来性の設計次第で法人化は可能
・実績ではなく「継続性の証明」が重要
・審査論点の事前設計が成否を分ける
・経験値がそのまま成功確率に直結する分野
医療法人設立は、「条件が整ってから行うもの」ではなく、条件を整える設計ができるかどうかが重要であることを示す事例です。
~掲載ご協力医院様~
医院名 羽田エイル歯科・矯正歯科
設立 平成27年6月1日
代表 石橋 翼様
所在地 〒144-0033 東京都大田区東糀谷3-6-11
URL http://www.hnd-aile-do.jp/
医療法人設立は、「手続きができるかどうか」だけでなく、その後の経営・資金・組織運営まで含めた意思決定です。今回のように、
・他で難しいと言われたケース
・時間的に厳しい案件
であっても、対応可能な場合があります。まずは現状を整理し、最適な選択肢を一緒に検討してみませんか。
【24時間受付中】
※確認次第、担当者よりご連絡させていただきます。
※法務手続きは行政書士法人プロシアス法務事務所が担当します。
※コンサルティングは柏崎法務事務所が提供します。
※当所では営業専任の担当者を置いておらず、無理な営業は一切行っておりません。
安心してご相談いただけます。
